SEMITEC(6626)
12月17日の終値は10950円(-310円)となっております
SEMITEC(6626)は9月から株価見直しの動きが鮮明となった銘柄です。11月は値幅調整を余儀なくされましたが、ここにきて再び上値を窺う流れが出ており、今後値幅取りの動きを強めるかが注目されます。
SEMITECはセンサーなどの製造・販売を主な事業とする電子部品メーカー。温度、光、圧力などの各種センサーを得意としており、エアコン、冷蔵庫などの家電製品から、自動車、情報機器、また電子体温計や医療分野のカテーテル用に小型化可能な薄膜センサーも手掛けております。
この銘柄に関しては、投機系資金絡みの物色案件として9月に8000円台後半水準で有料レポートにて取り上げた経緯の銘柄でもあります。
※SEMITEC(6626)の日足チャート
世界的に旺盛な電子部品の需要を背景に、SEMITECの業績は増収増益基調が鮮明です。しかし、足元の地合いは業績の良し悪しに関わらず、中小型株を中心に個別株が売られ易い地合いが続いております。
それにも拘らず、電子部品関連の筆頭銘柄である「村田製作所」や「日本電産」などを見ると、足元で見直しの動きが鮮明となっており、SEMITECにおいても、この電子部品関連を見直す動きを受けて、不安定な地合いの中でも上値を試す展開となっております。
注目すべきポイントとしては、世界的に金融政策が「引き締め」へと舵を切られる中、「金利上昇」に弱いITテック関連銘柄が売りの中心となっており、電子部品関連などの景気敏感株は底堅い傾向が見られこと。
また、電子部品はサプライチェーンの目詰まりやインフレで部材調達の遅れはあるものの、旺盛な需要(自動車・家電、産業機器関連向けセンサーが好調のほか、医療関連も根強い需要)を背景に、この株価見直し流れはしばらく続く可能性があると見ております。
加えて、SEMITECは12月5日の高値(12960円)から12月2日の安値(9310円)まで、直近で約28%の値幅調整を経過した後の出直り局面にあり、地合いは不安定にありながらも介入している投機筋の再攻勢が見られるかが注目されるタイミングに差し掛かっております。足元の不安定な地合いでは、個別株物色は一部の新興市場銘柄や投機性の高い銘柄がスポットで物色され易く、このようなターゲットが物色難で行き場を失った短期資金の逃避先として、集中的に流入し易い可能性がある為です。
SEMITEC(6626)の日足は、オシレーター系テクニカル指標であるMACDやRSIは買い継続を示唆。ただ、短期的にはボリンジャーバンドの+2σに達したことで、一時的に売りが出る可能性はあるものの、基本的には高値を試す展開が続くと想定しております。
注目すべきは、需給面で信用買い残高が2020年10月以来の低水準まで減少したことであり、高値圏にありながらも潜在的な売り圧力は少ない可能性があり、これらを踏まえて株価は依然見直し余地があると見ております。