日米の長期金利上昇への警戒感から、主力株には利益確定売りや様子見姿勢が広がっています。一方で、個別株では低位株を中心に短期資金の物色が続いており、投資家の物色意欲そのものが後退したわけではないことを示しています。足元では、主力株が伸び悩むなかでも、値動きの軽い低位株や材料性のある中小型株へ資金が向か買い易く、大きな値幅へ発展する銘柄が出ています。
弊社の有料レポートでも取り上げ、直近で高いパフォーマンスを示した弁護士ドットコム(6027)、SHIFT(3697)、オンコリスバイオファーマ(4588)、シリコンスタジオ(3907)は、こうした個別材料株物色を象徴する銘柄群です。事業内容や材料は異なるものの、株価が動き始めた局面で出来高が急増し、投機色の強い短期資金を呼び込んだ点は共通しています。いずれも当初は地味な存在でしたが、材料をきっかけに注目度が一気に高まりました。
※有料レポートで配信した銘柄と配信翌日始値からの上昇率

強い値動きの背景には、事業内容や将来性への評価だけでなく、投機筋による相場への関与が大きく影響したとみています。この手の投機筋が重視するのは材料の内容そのものというより、その材料が新たな買い手を呼び込み、相場を膨らませられるかどうかです。注目度が高まり出来高が増え、上値を追う投資家が増えるほど値幅は大きくなります。材料を起点に買いが集まり、その値動きがさらに資金を呼び込む流れが形成されれば、短期間でも相場は大きく発展します。こうした循環が働くかどうかが、単なる材料株と値幅取り候補を分ける分岐点になります。
ただし、個別株なら何でも買われる状況ではない点には注意したいところです。同じテーマに属していても、材料の鮮度が乏しい銘柄や出来高が続かない銘柄には資金が定着しにくくなっています。株価が安いというだけの理由で低位株を追うのも危険で、短期資金が離れれば上昇時と同じ速さで値を消すことがあります。強い値動きだけでなく、買いが続いているか、出来高が維持されているか、上値で新規の買い手が入ってきているかを丁寧に見極める必要があります。
主力株が金利動向や海外イベントに左右される間は、短期資金が個別材料株へ向かいやすい状況が続きそうです。新たな材料の浮上やIR発表を機に出来高が増え、値動きが明確になった中小型株、思惑が先行しやすい低位株は、次の値幅取り候補として注目を集めやすいと考えています。相場全体の方向感が定まらないほど、こうした個別物色の巧拙が投資成果を左右しやすくなります。
また弊社では、上記4銘柄に続く値幅取り候補の選定を進めています。表面的なテーマ性だけでなく、材料発表後の株価反応や出来高の増え方、上値の軽さを精査し、投機性の高い資金が入り込める余地まで見極めながら、相場が本格化する前の候補を絞り込んでいく方針です。
