HENNGE(4475)、物色の流れが変わる中で業績の先行きと今後の相場を読む

 

HENNGE(4475)
2026年9月2日 11:29現在の株価は1,668円(-35円)となっています

HENNGE(4475)の株価が、この夏で表情を一変させています。6月末まで1,100円前後で推移していたところから、7月にかけて1,300円台へ切り上がると、8月28日には1,788円まで急伸。31日には年初来高値1,816円をつけました。足元は1,600円台まで調整しており、この上昇の勢いが本物かどうかが問われる局面です。

 

HENNGEは、企業向けクラウドセキュリティ「HENNGE One」を主力とするSaaS企業です。ID管理やメールセキュリティ、認証を軸に、サイバーセキュリティ需要やクラウド活用の広がりを取り込む事業を展開しています。6月末から7月にかけては、ラクスやインフォマートなどSaaS関連株がそろって強含み、HENNGEにも見直し買いが波及しました。

これに加えて今回の値動きには、短期資金を段階的に巻き込む投機筋特有の戦術が重なっているとみています。一気に株価を走らせるのではなく、出来高と値動きに緩急をつけながら関心を高め、急伸後に押し目を挟んで再び高値を取りにいくことで、「まだ上がるのでは」という期待を残しながら短期筋や個人投資家を巻き込んでいくタイプです。HENNGEの値動きも、8月の好決算後に急伸したあと一度調整し、月末には決算直後の高値を突破するなど、この投機筋が得意とする展開と重なります。

 

※ HENNGE(4475)の日足

 

この相場に業績の裏付けを与えたのが、8月4日発表の2026年9月期第3四半期決算です。売上高、営業利益ともに前年同期比で17%台の増収増益となり、通期営業利益計画に対する進捗率は約9割に達しました。決算翌日は大商いを伴って16.8%上昇し、SaaS株物色に個別業績の強さが加わった形です。

特に主力「HENNGE One」の成長は目を引きます。年間経常収益を示すARRは前年同期比16.7%増の125億円超となり、契約企業数・ユーザー数も拡大が続いています。大型企業の契約獲得も進み、クラウド利用拡大とセキュリティ需要を着実に取り込んでいます。

さらに10月からはHENNGE Oneのプラン体系を刷新し、ネットワークセキュリティやEDR、パスワード管理などへ提供領域を広げます。既存顧客への追加導入が進めば、1社当たりの利用拡大を通じてARRを押し上げる余地があります。

 

一方、短期間での急上昇により割安感は乏しく、9月2日前場の株価水準では予想PERは30倍台半ば、PBRも10倍台に乗っています。上値を追うには、ARR拡大の継続や利益計画の上振れなど、次の成長確認が必要になりそうです。会社は4Qに広告宣伝費の積み増しを予定しており、通期予想は据え置いています。単純な進捗率よりも、来期につながるARR成長を確認したいところです。

 

日足では25日線、75日線、200日線をいずれも上回り、中期的な上昇トレンドは維持されています。ただし足元は5日線を下回り、RSIも低下しており、急騰後の調整局面に入っています。短期的には1,600円台を保てるか、中期的には25日線と出来高の厚い1,500円前後を維持できるかが焦点です。逆に年初来高値1,816円を出来高を伴って上抜ければ、上昇再開の判断材料になります。

 

ARR拡大と高い利益進捗という個別の強さがある一方、ジャクソンホール以降は金利上昇への警戒からSaaS株全般に利益確定売りが目立ち始めており、直近高値が当面のピークとなる可能性も意識されます。25日線を中心とした中期トレンドが崩れない限り積極的に売る理由は見当たりませんが、セクター全体の追い風を前提にはしにくくなっています。この水準を明確に割り込み戻りも鈍いようなら、再評価相場の前提を見直す必要があります。逆に高値圏を再び突破できれば、個別業績の強さを背景に上昇が続く余地は残っています。

 

 

弊社の有料レポートでは、この銘柄を1,200円前後の水準から複数回にわたって取り上げており、HENNGE Oneの契約拡大やARR成長といった事業面の強さと、投機筋による値幅取りという両面に着目し続けています。 今後も弊社の有料レポートでは、こうしたテーマ性・投機性の高い短期物色に適した値幅取り候補を、詳細な分析とともに取り上げていく予定です。

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