オンコリスバイオファーマ(4588)
2026年9月4日の終値は4,595円(+525円)となっています
不安定な地合いが続くなか、オンコリスバイオファーマ(4588)の値動きが際立っています。9月4日は前日比12.9%高の4,595円まで上昇し、8月末に付けた高値圏へ再び接近しました。
今週は長期金利の上昇がグロース市場の重荷となり、利益確定売りが目立つ場面もありましたが、9月4日は金利低下を受けて大きく反発しました。この夏はグロース市場へ個人投資家や短期資金が戻り始め、値幅の出やすいバイオ株への物色が強まっています。複数の銘柄が同時に動くことでテーマとしての人気が高まり、「次に動く銘柄」を探す資金も集まりやすくなっています。オンコリスは、そこにテロメライシンの収益化という明確な材料が重なったことで、バイオ株物色の流れを上回る上昇相場へと発展しました。
同社の腫瘍溶解ウイルス製剤「テロメライシン注」は、6月の承認後、8月に薬価収載され保険適用となり、8月21日に富士フイルム富山化学を通じて発売されました。相場の関心は「承認されるか」から「どこまで売れるか」へ移っています。短期資金の反応は早く、8月12日に2,870円だった株価は翌日3,370円へ急伸。その後も買いが続き、8月28日には出来高280万株を伴って4,810円、31日には4,875円まで上値を伸ばしました。単なるテーマ買いなら一度の急騰で終わることも珍しくありませんが、オンコリスの場合は材料が途切れませんでした。
8月27日には、進行性核上性麻痺を対象としたOBP-601の第2a相試験結果が海外医学誌に掲載されたと発表され、翌28日は前日比17%高まで急騰しました。テロメライシンに次ぐ材料が加わったことで、相場はさらに厚みを増しています。
※ オンコリスバイオファーマ(4588)の日足
日足では移動平均線が短期から長期まで順に並び、上昇トレンドは崩れていません。株価は8月後半にボリンジャーバンドの上限を押し広げながら上昇し、31日に高値を付けました。その後は3,800円台まで急速に調整しましたが、4,000円近辺で下げ止まり、9月4日に4,500円台を回復しています。RSIはやや高めながら過熱感は極端ではなく、MACDもプラス圏を維持しています。目先は4,875円を出来高を伴って抜けられるかが焦点で、抜ければ上値追いが強まりやすい一方、4,200円台を割り込むようだと4,000円前後までの調整を警戒したいところです。
また、この強い相場の背景には、特定の投機筋の存在もうかがえます。序盤から派手に動かすのではなく、商いが落ち着いた段階で水準をじわじわ切り上げ、温度が高まったところで買いを強める手口です。オンコリスも7月後半は商いを膨らませずに底値圏を離れ、8月に入って出来高とともに上昇角度を強め、後半には値幅と商いを一段と拡大させながら高値を更新してきました。押し目でも買いが戻る展開が続いており、周囲の短期資金を巻き込みながら上昇を持続させているとみられます。
こうした相場では、企業価値の評価だけで株価が動くわけではなく、値動きの強さそのものが買い手掛かりとなります。高値更新が市場の関心を集めて個人投資家や短期筋を呼び込み、その買いがさらなる上昇と人気を生む循環が働きます。グロース市場全体への資金回帰、バイオ株への投機的な物色、テロメライシンの収益化、そしてOBP-601という新材料。これらが重なったことで、オンコリスは単にバイオ株物色の流れに乗るだけでなく、独自の材料を背景に投機筋を含む短期資金を自ら呼び込む人気銘柄へと変わりつつあります。9月1日に大きく下げた後も4,000円近辺で踏みとどまり、再び高値圏へ戻してきたことが、その強さを裏付けています。
この物色人気の循環が続く間は、多少の押し目があっても資金が集まりやすい地合いが続くとみられます。ただし、人気の源泉が値動きの強さそのものである以上、新たな材料が途切れれば資金離れも速いという、テーマ株に共通する性質は変わりません。判断材料としては、日足のトレンドが強さを維持できているかが鍵となりそうです。
弊社の有料レポートでは、この銘柄を6月下旬、株価が2,600円台にあった段階から取り上げ、テロメライシンの承認・収益化とOBP-601の材料進展、そして投機性の両面に着目しながら、複数回にわたって取り上げてきました。今後も弊社の有料レポートでは、こうしたテーマ性・投機性の高い短期物色に適した値幅取り候補を、詳細な分析とともに取り上げていく予定です。

