インフォマート(2492)
2026年8月13日の終値は582円(-9円)となっています
インフォマート(2492)の株価が、わずか2カ月で大きく水準を変えています。6月12日に年初来安値346円まで下落した後、7月から上昇基調に転じ、8月12日には615円まで上昇しています。
この相場の本質は、単なる材料株としての人気化ではありません。市場が見直し始めたのは、主力サービスの成長が利益拡大へ結びつくようになった、インフォマートの収益構造そのものです。値動きの背景を丁寧にたどると、思惑先行の相場とは一線を画す構図が見えてきます。
その変化は、7月31日発表の2026年12月期中間決算に表れています。売上高は前年同期比11.0%増だったのに対し、営業利益は49.1%増と、増収率を大きく上回る利益成長となりました。売上が伸びてもコストが同じペースでは膨らまなくなり、増収分が以前より利益として残りやすくなっているのです。
成長を支えるのは、企業間取引を電子化する「BtoBプラットフォーム」です。利用企業は130万社を超え、継続課金を中心とする収益基盤も安定しています。主力のFOOD事業が着実に利益を伸ばす一方、これまで投資負担が目立っていたES事業でも採算改善が鮮明になりました。特に請求書サービスの利用拡大と料金改定の効果で、ES事業の営業利益は前年同期の約5.5倍に拡大。これまで成長のために費用を投じてきた事業が、全社利益を押し上げる側へ回り始めたことこそ、今回市場が評価している変化です。
なお、7月初旬にはオアシス・マネジメントの大量保有判明が株価上昇のきっかけとなりました。その後も買い増しが続いたことで、需給面や株主還元への期待を支える材料になっています。ただし、足元の上昇基調を説明する中心材料は、あくまで決算で確認された収益性改善であり、投機的な仕手筋の思惑買いとは性質が異なる点には注意が必要です。オアシスは相場の主役というより、動き始めた評価修正を加速させた存在とみるのが適切でしょう。
※ インフォマート(2492)の日足
一方、8月13日終値582円の現在地点は、すでに相応の成長を織り込んでいます。会社予想ベースのPERは50.1倍、PBRは5.16倍です。会社側は2月に公表した通期予想を据え置いており、6月安値以降の株価上昇は、利益予想の上方修正ではなく、収益性改善を受けた評価倍率の切り上がりによる面が大きいと考えられます。つまり現在の株価は「収益性が改善したから割安」という水準ではなく、今後も利益率の改善が続くとの期待を一定程度先取りした水準とみられます。
日足では、株価が主要な移動平均線をすべて上回り、中長期の上昇トレンドを維持しています。ただ、直近高値615円を付けた後は伸び悩み、MACDも高水準で横ばいとなっており、上昇の勢いはやや一服しています。目先は5日線が位置する580円前後を保てるかが焦点です。この水準を割り込めば、価格帯別出来高が厚い550円前後や、25日線が位置する530円台が次の下値目安になります。反対に、610~615円を出来高を伴って上抜ければ、上昇再加速のサインとなるでしょう。
会社側は通期計画を据え置いていますが、中間期の営業利益進捗率は42.4%にとどまり、通期計画の達成には下期だけで28億円超の営業利益を確保する必要があります。今後の焦点は、利用企業の拡大とES事業の採算改善が続き、高まった株価評価を業績で正当化できるかです。7月初旬以降の上昇は、思惑だけの相場ではありません。成長が利益へ変わり始めたことで起きた、収益力の評価修正相場といえるでしょう。
弊社の有料レポートでは、この銘柄を6月中旬、350円付近の水準で取り上げており、収益構造の改善による評価修正期待と、オアシス・マネジメントをはじめとする投資ファンドの動向の両面に着目しました。今後も弊社の有料レポートでは、こうした業績変化を捉えた値幅取り候補を、詳細な分析とともに取り上げていく予定です。

