今週の株式市場は、引き続き安定した動きを想定。
日経平均の日足は200日移動平均を試す局面。MACDやRSIといったオシレーター系テクニカル指標は買い継続を示唆。これだけ見ると、まだ戻り余地がありそうな雰囲気ですが、直近2週間の戻り局面では出来高があまり大きくありません。
このことから、本格的な株価回復を期待した買いがあまり入っていない様子が見受けられます。
※日経平均の日足チャート
この傾向は日本株だけではなく、欧米の株式市場でも見受けられます。
市場を取り巻く環境は、「インフレ」「利上げ加速」「ウクライナ戦争」「リセッション懸念」と年初から相次ぐ出来事に、先行き見通す上で材料が複雑化しています。強気ではないが弱気になれない要因も含まれます。
引き続き、今の水準は株式市場にとって居心地の良い水準にあると見ており、今週の日経平均は27500-28500円のレンジ相場を想定。
仮に指数が緩慢な動きが続くようなら、短期資金は個別株に流れる傾向が強まると見ております。マザーズ指数などは長期移動平均から大きく下方に乖離したままで、日経平均などよりも出遅れ・値ごろ感があります。また日経平均とは異なり、マザーズ市場の出来高が増加傾向にあることも見逃せません。
市場ではFRBの金融引き締め(利上げ)加速が強く意識されているものの、金融政策に関しては、以前(昨年末~年始頃)と比べてある程度予想し易くなっています。タカ的かハト的かはっきりしない以前の姿勢から、今はタカ的な方向へシフト。市場は「先行き不透明感を最も嫌う」という観点からは、以前よりは見通し易い状況が、足元の株価安定に繋がっていると見ております。
但しテールリスクとしては、引き続きロシアの軍事戦略が想定以上に過激化することで、「生物兵器」や「核」など非人道的破壊兵器の乱用といった過激なワードが強く意識されるようなら、マーケットも過敏に反応する懸念が出てきます。