今週の東京株式市場は、米半導体株の利益確定が日経平均の重しとなる一方で、相場全体の地合いは大きく崩れませんでした。週前半は、米国やアジア市場でAI・半導体関連株が堅調に推移した流れを受け、東京市場でも同関連株を中心に買いが広がり、日経平均は7万円台を回復しました。しかし、これらの銘柄は短期間で大きく上昇していたため、週後半には、米SOX指数が大幅安となったことをきっかけに、半導体関連株への利益確定売りが強まりました。日経平均は半導体関連の影響を受けやすく、米国の半導体株が崩れると、日本株にも売りが波及しやすい構図です。もっとも、売りは主力半導体株に集中しており、出遅れ銘柄への物色は続きました。市場全体が弱気に傾いたわけではありません。ここは冷静に見たいところです。
米国株市場では、AI投資拡大への期待を背景に、エヌビディア、AMD、ブロードコム、マイクロンなどが相場をけん引してきました。ただ、上昇ピッチの速さが意識され、週後半にはハイテク株の一角に調整色が出ました。この流れを受け、日本でも日経平均寄与度の高い半導体関連に売りが出ましたが、下値では押し目買いも入っています。AI・半導体相場の前提が崩れたというより、短期的な過熱を冷ますスピード調整と見るのが自然です。主力株相場は、まだ完全には崩れていないと見ています。
一方、グロース市場には変化が出ました。6月下旬に年初来安値を付けた後、売られすぎ感が意識され、グロース250指数は週を通じて7%超上昇し、6週ぶりに大きく反発しました。個人投資家や短期筋の資金は、宇宙関連やグロース主力株、値動きの軽いテーマ株の一角に向かいました。直近IPOについては銘柄ごとに明暗が分かれています。これは本格的な成長株相場の復活というより、まずは売られすぎ銘柄を買い戻すリターンリバーサルの動きです。ただ、週末にかけて25日移動平均線を上回る動きも見られており、短期的には需給改善の兆しが出ています。ここは少し面白くなってきた印象です。
個人投資家の物色意欲も残っています。大型AI・半導体株の上昇で投資家のリスク許容度が改善し、出遅れていたグロース株や小型材料株にも循環物色が広がりました。短期筋は、業績の安定感よりも、値動きの軽さやテーマ性、出来高の変化を手掛かりにしているとみられます。そのため、上昇した銘柄には利食いも出やすく、相場の持続性にはまだ注意が必要です。特にグロース市場は、長期金利の上昇や大型株への資金回帰が強まると、再び上値が重くなる可能性があります。反発局面ではありますが、戻り売りをこなせるかは慎重に見たいところです。
東証全体で見ると、今週は「大型半導体株のスピード調整」と「出遅れ株への循環物色」が同時に進んだ週でした。日経平均は今後も、SOX指数や米ハイテク株の動向に左右されやすい展開が続きそうです。一方で、TOPIXや中小型株には資金循環の余地があります。相場全体としては、一部の主力株だけでなく、出遅れ銘柄を探る流れが強まる可能性があります。AI・半導体株が再び大きく崩れなければ、東証全体では循環物色を伴いながら底堅さを保ちやすい地合いです。地合いは悪くありません。
グロース市場については、まず戻り売りをこなしながら、25日線を維持できるかが焦点になります。個人投資家や短期筋の資金が継続して入るかどうかは、出来高を伴った上昇と、テーマ株への物色継続が焦点になります。現状は全面的な新興株復活ではなく、売られすぎた銘柄に短期資金が戻り始めた段階です。ただし、大型株相場が一服し、投資家心理が崩れなければ、グロース市場でも短期値幅を狙える場面は増えていくと考えられます。ここからは銘柄選別がより重要になる局面です。
