ローム(6963)
2026年7月21日の終値は4,734円(+203円)となっています
ローム(6963)の株価は、5月以降強い上昇基調を描き、4月末の3,400円台から7月6日には6,099円まで買われました。4月下旬のデンソーによる株式取得提案検討終了を受けた急落からの切り返しで、2027年3月期の利益回復計画への評価に加え、AIサーバー向け製品の拡大やSiC事業の悪材料出尽くしが買い材料となりました。会社は同期の営業利益を前期比176.1%増の300億円と見込んでいます。
しかし7月6日の高値を境に上昇基調は崩れ、調整局面へ転じています。7月中旬には下落が加速し、直近安値は4,471円まで落ち込みました。下落率は高値から約27%、およそ3割の下落幅に達しています。短期間での急騰の反動に加え、7月中旬には世界的に半導体株が売られる動きが重なり、東京市場でも急騰していたAI・半導体関連株全般に売りが波及しました。業績回復を先回りして織り込んでいた分、利益確定や持ち高調整の売りが出やすい地合いだったといえます。
※ ローム(6963)の日足
日足では、高値と安値を切り下げる調整局面に入っています。7月21日の終値4,734円は、5日線4,946円、25日線5,332円を下回りました。一方で、75日線4,593円と200日線3,274円は上回っています。MACDはマイナス圏で下向き、RSIも42台にとどまり、戻りの勢いはまだ弱い状態です。
ただ、4,400円台ではボリンジャーバンドの下方バンドが意識され、21日は陽線で反発しました。当面は4,400円前後を維持できるかが焦点です。反発局面では、まず5日線が位置する4,900円台を回復できるかが注目されます。そのうえで、5,200~5,300円台を明確に上抜ければ、調整一巡を意識しやすくなります。反対に4,400円を明確に割り込めば、4,000円台前半まで下値を探る可能性があります。
今回の急反落を、ローム固有の成長材料が失速した結果と見るのは適切ではありません。7月中旬には世界的に半導体株が売られ、東京市場でも、急騰していたAI・半導体関連株に売りが広がりました。これまで需要拡大への期待で買われてきた銘柄群は、その需要が実際の売上や利益にどこまで結び付くかを見極める段階へ移っています。
ロームも、こうした半導体株全体の巻き戻しに巻き込まれた形です。今後は、AI関連というテーマだけでは株価を押し上げにくくなります。材料の有無よりも、業績への寄与時期や収益規模が重視される局面です。
それでも、AIデータセンター関連相場が終了したと判断するのは早計です。足元では急落後の買い戻しも見られますが、相場継続を判断するうえでは、AIサーバー向け需要が実際の売上と利益に結び付くかが重要です。今後のロームを見るうえでも、AIサーバー向け電源製品の伸びが会社計画どおり利益に反映されるかが焦点となります。SiC事業の減損による費用軽減だけでなく、実際の販売増によって収益力を高められるかが問われます。
東芝デバイス&ストレージ、三菱電機との事業統合協議も中長期の材料です。ただし、現時点では条件や収益効果が固まっておらず、期待だけを先行させるには限界があります。
ロームの急反落は、個別材料の失速ではありません。AIデータセンター需要を先取りして急騰した半導体株全体が、期待先行から業績確認の局面へ移ったことを映しています。今回の調整は相場終了を意味するものではなく、実需と利益成長の裏付けを持つ銘柄を見極める選別局面に入ったと考えられます。
弊社の有料レポートでは、この銘柄を4月下旬に2度にわたり取り上げており、3,400円~3,800円台の段階から、業績回復計画とAIサーバー向け製品拡大というテーマ性に着目し続けています。今後も弊社の有料レポートでは、こうしたテーマ性・値動きの軽さを兼ね備えた値幅取り候補を、詳細な分析とともに取り上げていく予定です。


