10月7日の大引け後、JPX総研は新基準のTOPIX構成銘柄を発表し、683銘柄を段階的な除外に向けた「移行措置銘柄」に指定しました。
警戒されてきた除外リスクは、正式発表で悪材料出尽くしとなるのか。それとも新たな売りを呼ぶのか。投資家の関心はこの一点に集まっています。
結論から言えば、翌8日は一部の対象銘柄が大きく下げたものの、悪材料出尽くしが不発だったと判断するのは早計です。私はむしろ、今回の発表を再評価に向けた転機と見ています。
8日午前には八洲電機が6.1%安となり、大同メタル工業やKLabも下落しました。ただ、これらは683銘柄の一部にすぎません。
市場全体の下げと切り分ける
除外銘柄の下げを評価するには、まず市場全体がなぜ下げたのかを押さえる必要があります。
正式発表は7日の大引け後でした。7日の日経平均648円安は、発表を受けたものではありません。
下げの主因は、急伸していたAI・半導体関連株への利益確定売りでした。高値圏で過熱感が意識され、指数寄与度の大きい主力株が相場全体を押し下げました。
同日の米国市場でも、インフレ懸念と長期金利の上昇を背景に主要株価指数がそろって下落しました。
この流れを引き継いだ8日の東京市場は続落し、午前11時30分時点で日経平均は662円安。東証プライムでも33業種中31業種が下げました。
つまり、除外銘柄は発表の有無にかかわらず売られやすい地合いにありました。
除外銘柄だけが売られたのか
注目したいのは、移行措置の対象外が大半を占める東証グロース市場も、7日から8日にかけて大きく下げたことです。
グロース市場250指数は7日に1.26%下落し、8日午前も1%台後半の下げとなりました。除外リスクを抱えていない中小型株にも売りは及んでいます。
この地合いで除外銘柄の下落だけを取り上げ、発表が嫌気されたと結論づけるのは適切ではないでしょう。
指数ウエイトが段階的に引き下げられる以上、指数連動型ファンドの売却需要は今後も意識されます。問題は、その影響が市場全体の下落を上回るほど強かったのかどうかです。
現時点で、683銘柄全体が市場平均より顕著に弱かったことを示すデータは確認できていません。
正式発表は転機になるか
今回の見直しでは、683銘柄が直ちに除外されるわけではありません。ウエイトは四半期ごとに8段階で引き下げられ、除外は2028年7月末の予定です。2027年10月の再評価で基準を満たせば、低減は停止されます。
一方、除外リスクは以前から警戒され、株価にも一定程度織り込まれてきたと考えられます。
今回分かったのは、発表を機に対象銘柄が一斉に買い戻される展開には、少なくとも8日午前の時点では至らなかったことです。
今後の手掛かりは、地合いが落ち着いたときの値動きです。対象銘柄に買い戻しが広がるのか、それとも対象銘柄だけが売られ続けるのか。
そのうえで私自身は、今回の正式発表を一つの転機と捉えています。
8日の下落は確かに気になります。ただ、除外とは無関係のグロース株まで大きく売られている以上、悪材料出尽くしの期待が後退したとは考えていません。むしろ、長く続いた除外リスクへの警戒が一つの区切りを迎えたことに意味があります。
ここからは除外対象という共通の事情よりも、個々の企業が持つ投資価値の違いが株価に表れる展開を期待しています。
